高校サッカーの「裏選手権」とは、全国高校サッカー選手権大会の都道府県予選で敗退した強豪校などが集まり、新チームの強化を目的に競い合う「ニューバランスカップ in 時之栖」の通称です。正式には「新春高校サッカー強化研修大会」と呼ばれ、毎年1月に静岡県の時之栖スポーツセンターで開催されています。
2026年大会は1月3日から6日まで開催され、全国の強豪36校が参加。1月6日の決勝では、埼玉県の武南高校が静岡県の藤枝東高校を4-1で破り、逆転優勝を果たしました。前半を0-1で折り返しながら、後半だけで4得点を奪った武南の戦いぶりが大会を象徴する結果となりました。
【高校サッカー裏選手権とは?】ニューバランスカップの正体と開催背景

高校サッカー裏選手権は、全国高校サッカー選手権大会とは別に開催される、高校サッカーの新春強化大会です。
大会の正式名称は「ニューバランスカップ in 時之栖」。また、「新春高校サッカー強化研修大会」という名称でも知られています。
なぜ「裏選手権」と呼ばれているのか最大の理由は、全国高校サッカー選手権大会と開催時期が重なることです。
全国高校サッカー選手権大会は、各都道府県の予選を勝ち抜いた代表校が出場する高校サッカー最大級の大会です。一方、裏選手権には、その全国大会への出場を逃した強豪校が数多く参加します。
全国大会の舞台に立てなかったチームが、同じように全国レベルの実力を持つ高校と対戦する。その構図から「裏選手権」という呼び名が定着しました。
ただし、正式な全国高校サッカー選手権の裏大会や敗者復活戦という位置づけではありません。あくまで独立した強化研修大会です。
全国大会に出場できなかった強豪校が集まる理由高校サッカーでは、実力のある学校であっても、都道府県予選で敗退すれば冬の全国選手権には出場できません。
例えば、同じ県に複数の全国レベルの強豪校が存在する場合、全国大会に出場できるのは原則として代表枠を勝ち取った学校だけです。実力があっても、予選の組み合わせや一試合の結果によって全国への道が閉ざされることがあります。
しかし、全国大会に出場できなかったからといって、そのチームの育成環境や選手の能力が急に低下するわけではありません。
裏選手権は、そうした学校が新チームで再スタートを切り、全国の強豪と実戦を重ねるための貴重な機会になっています。
【出場資格と参加条件】どんな高校が裏選手権に出られるのか
裏選手権への出場を考えるうえで押さえておきたいのが、参加条件です。
この大会は、一般の高校生が個人で申し込んで参加する選抜大会ではありません。高校サッカー部単位で参加する強化研修大会であり、全国から選ばれた学校が集まります。
参加校に求められる実績2026年1月3日付の日刊スポーツの大会取材記事では、ニューバランスカップの参加基準について、過去3年間に全国大会への出場経験があることなどと紹介されています。
つまり、単に都道府県予選で敗退した学校なら、どこでも自由に参加できるという仕組みではありません。過去の競技実績やチームの実力などを背景に、全国の強豪校が参加する大会です。
また、2026年大会では時之栖スポーツセンターが2025年11月22日に参加チームの決定を公式発表しています。
このことからも、参加資格は個人向けの一般公募ではなく、チーム単位で決まる大会として理解するのが適切です。
2026年大会の出場校と地域的な広がり2026年大会には北海道から九州まで、全国36校が参加しました。
代表的な参加校には、静岡学園、藤枝東、武南、西武台、東海大相模、帝京、桐光学園、市立船橋などがあります。
各地域の伝統校や全国大会で実績を残してきた学校が顔をそろえており、普段の地域大会では実現しにくい対戦が組まれる点も魅力です。
なお、参加校は年度ごとに変わります。前年の出場校が翌年も必ず参加するわけではなく、毎年の参加チーム発表を確認する必要があります。
【裏選手権2026年最新結果】武南が藤枝東を破り優勝!決勝トーナメント全結果
2026年のニューバランスカップは、1月3日から6日までの4日間、静岡県の時之栖スポーツセンターで開催されました。
予選リーグを経て決勝トーナメントに進んだチームが優勝を争い、最後に頂点へ立ったのは埼玉県の武南高校でした。
2026年大会の最終順位大会最終日の結果は次のとおりです。
- 優勝:武南高校(埼玉)
- 準優勝:藤枝東高校(静岡)
- 第3位:帝京高校(東京)
- 第4位:西武台高校(埼玉)
武南と藤枝東が決勝に進出し、帝京と西武台が3位決定戦を戦いました。帝京は西武台を7-2で下して3位を確保しています。
決勝トーナメントの対戦カードと試合結果2026年大会の決勝トーナメントは1月5日と6日に実施されました。準々決勝では、静岡学園と武南、東海大相模と西武台という注目カードが実現しています。
特に準々決勝の組み合わせは、武南と西武台が同じ埼玉県勢だったことから変更され、静岡学園対武南、東海大相模対西武台というカードになりました。
| ラウンド | 対戦カード | 結果 |
|---|---|---|
| 1回戦 | 帝京 vs 滝川第二 | 4-0 |
| 1回戦 | 東海大大阪仰星 vs 桐光学園 | 0-3 |
| 1回戦 | 静岡学園 vs 専大松戸 | 2-1 |
| 1回戦 | 東海大相模 vs 東山 | 2-1 |
| 1回戦 | 作陽学園 vs 武南 | 1-1(PK3-4) |
| 1回戦 | 西武台 vs 名古屋 | 3-1 |
| 1回戦 | 桐生第一 vs 藤枝東 | 0-1 |
| 1回戦 | 駒澤大学高等学校 vs 飯塚 | 3-0 |
| 準々決勝 | 帝京 vs 桐光学園 | 0-0(PK4-3) |
| 準々決勝 | 静岡学園 vs 武南 | 1-2 |
| 準々決勝 | 東海大相模 vs 西武台 | 1-1(PK1-4) |
| 準々決勝 | 藤枝東 vs 駒澤大学高等学校 | 1-0 |
| 準決勝 | 帝京 vs 武南 | 0-1 |
| 準決勝 | 西武台 vs 藤枝東 | 1-1(PK3-5) |
| 3位決定戦 | 帝京 vs 西武台 | 7-2 |
| 決勝 | 武南 vs 藤枝東 | 4-1 |
この結果からも分かるように、武南は初戦の作陽学園戦をPK戦で突破し、準々決勝では静岡学園、準決勝では帝京という強豪を撃破しました。
藤枝東も駒澤大学高等学校、西武台を退けて決勝に進出。両校とも簡単な道のりではなく、決勝にふさわしい顔合わせとなりました。
【武南高校が4-1で優勝】藤枝東との決勝で何が起きたのか
2026年1月6日の決勝は、武南高校と藤枝東高校による対戦でした。
試合前の勢いでは、予選リーグを1位で通過した藤枝東にも十分な優勝の可能性がありました。一方の武南は予選リーグを無敗ながら2位で通過し、決勝トーナメントでは接戦を勝ち抜いてきました。
前半は藤枝東が先制して1-0試合序盤は武南が主導権を握りました。
前半7分には武南FW岩澤柾吾がシュートを放ち、10分にはMF三友凪、13分にはMF渡邉悠が続けてゴールを狙います。
しかし、藤枝東も徐々に中盤でのプレスを強めて反撃。前半34分、中盤でボールを奪ったMF山田樹が自ら持ち運び、右足でゴールを決めました。
この得点によって藤枝東が1-0とリード。武南は追いかける展開で前半を終えました。
後半に武南が4得点を奪う逆転劇試合の流れが大きく変わったのは後半です。
武南は攻撃のギアを上げ、まず後半7分にあたる47分、岩澤柾吾が頭で押し込んで同点に追いつきます。
さらに49分、コーナーキックから再び岩澤がゴールを決め、武南が逆転に成功しました。
勢いを増した武南は53分、渡邉悠が左サイドを突破してクロスを供給。これをMF鞭馬小太朗が決めて3-1とリードを広げます。
そして71分には、キャプテンマークを巻いたMF小山一絆が右足で追加点。最終スコアは4-1となり、武南が見事に優勝を果たしました。
後半だけで4得点という結果は、単なる得点力の高さだけでなく、試合中に修正して攻撃を機能させたチームの対応力を示すものでした。
大会MVPは武南MF小山一絆大会終了後にはMVPも発表され、優勝に貢献した武南MF小山一絆が選出されました。
決勝でも71分に得点を記録しており、優勝を決定づける活躍を見せています。
また、武南を率いる内野慎一郎監督は大会後の取材で、今シーズンに向けた目標を次のように語っています。
「今年は『選手権で絶対に勝ちたい』。ただ、何でも勝てばいいわけではなく、武南らしい勝ち方で勝ちたい」
この発言から伝わるのは、裏選手権の優勝だけを最終目標にしているわけではないということです。新チームとして結果を残しながら、次の全国高校サッカー選手権で勝てるチームを作る。そのためのスタートとして、今回の優勝を位置づけていることが分かります。
【歴代優勝校一覧】静岡学園・帝京・流経大柏など名門校が頂点に
裏選手権では、全国高校サッカー選手権でも実績のある学校が歴代優勝校に名を連ねています。
大会の結果を振り返ると、同じ強豪校が何度も上位に進出している一方、年度によって優勝校が入れ替わっていることも特徴です。
2021年から2026年までの優勝校- 2026年:武南高校(埼玉)
- 2025年:鹿島学園高校(茨城)
- 2024年:山梨学院高校(山梨)
- 2023年:流通経済大学付属柏高校(千葉)
- 2022年:帝京高校(東京)・昌平高校(埼玉)※両校優勝
- 2021年:静岡学園高校(静岡)
2026年の武南、2025年の鹿島学園、2024年の山梨学院と、近年は異なる地域の学校がタイトルを獲得しています。
2023年の流通経済大学付属柏は、千葉県の八千代高校との決勝で1-1からPK戦に突入し、4-2で勝利しました。
2022年大会は少し特殊です。決勝で帝京と昌平が対戦しましたが、降雪による天候不良で試合形式が30分1本に変更され、0-0のまま終了。両校優勝という結果になりました。
また、2021年は静岡学園が帝京を2-0で破って優勝しています。静岡学園はその前年の全国高校サッカー選手権でも優勝しており、裏選手権でも存在感を示しました。
歴代優勝校から分かる大会の特徴歴代優勝校を見ると、静岡学園、帝京、昌平、流通経済大学付属柏、山梨学院、鹿島学園、武南など、全国レベルの競争力を持つ学校が並びます。
注目したいのは、裏選手権が特定の地域だけの大会ではないことです。関東、東海をはじめ、全国各地の高校が優勝を争っています。
また、優勝校の名前だけでなく、準優勝校やベスト4に入った学校にも注目すると、新チームの勢力図が見えてきます。
【開催目的と大会の仕組み】時之栖で行われる新春強化研修大会の意義
裏選手権の価値は、優勝というタイトルだけでは測れません。
本来の目的は、3年生が引退した後の新チームが、全国の強豪校との対戦を通じて実戦経験を積み、次のシーズンに向けて成長することです。
新チームの戦力を試す4日間全国高校サッカー選手権大会が終盤を迎える1月上旬は、多くの高校で新体制への移行が進む時期です。
3年生が引退すれば、チームの中心だった選手が抜け、1・2年生を中心とした新しいチームを作らなければなりません。
新チームには、攻撃の組み立て、守備の連係、選手の組み合わせ、試合終盤の対応など、確認すべき課題が数多くあります。
そこで、全国の実力校と短期間に複数試合を行える裏選手権が、重要な強化の機会になります。
2025年11月22日の時之栖スポーツセンターの公式発表でも、本大会は新体制に移行したチームにとって、2026年度の成績を占う重要な試金石と説明されています。
加えて、プレミアリーグやプリンスリーグでの躍進を目指すチームにとって、新シーズンに向けた課題の発見やチームの潜在能力を引き出す場になるとしています。
時之栖スポーツセンターが会場になる理由大会の舞台となる時之栖スポーツセンターは、静岡県裾野市・御殿場市にまたがるスポーツ施設です。
サッカーグラウンドを複数備え、宿泊施設なども利用できる環境が整っているため、全国から集まる高校の合宿や強化試合に適しています。
2026年大会では、裾野グラウンドやうさぎ島グラウンドなどを使用し、1月3日から4日に予選リーグ、5日から6日に決勝トーナメントが行われました。
大会方式と勝ち上がりの流れ2026年大会では36校が参加し、予選リーグと順位決定トーナメントを実施しました。
決勝トーナメントには16校が進出し、1回戦、準々決勝、準決勝を経て決勝へ進みます。決勝進出を逃したチームには3位決定戦も設けられています。
同点の場合にはPK戦で勝敗を決める試合もあり、2026年大会でも武南や西武台、藤枝東などがPK戦を経験しました。
この形式によって、単に予選リーグで勝つだけでなく、トーナメントで一発勝負を制する力も試されます。
【裏選手権の本当の価値】全国選手権とは違う注目ポイントとよくある誤解
裏選手権を理解するうえで重要なのは、全国高校サッカー選手権大会と同じ基準だけで評価しないことです。
誤解1:全国大会に出られなかった弱い学校の大会なのかこれは大きな誤解です。
全国高校サッカー選手権大会は都道府県予選を勝ち抜いた代表校が出場するため、強豪校同士が同じ地域に存在すれば、どちらか一方が予選で敗退することもあります。
裏選手権に参加する学校には、過去に全国大会出場経験を持つ高校や、各地域で高い競技力を維持している高校が多く含まれています。
2026年大会でも静岡学園、藤枝東、帝京、東海大相模、桐光学園などが参加しており、決してレベルの低い大会ではありません。
誤解2:優勝すれば全国高校サッカー選手権に出場できるのか裏選手権の優勝と、全国高校サッカー選手権大会への出場資格は別のものです。
ニューバランスカップは新チームの強化研修大会であり、全国高校サッカー選手権の予選結果を覆したり、次回大会の出場権を与えたりする制度ではありません。
そのため、武南が2026年大会で優勝したことは大きな実績ですが、それ自体が次の全国選手権への出場を保証するわけではありません。
観戦するならどこに注目すべきか裏選手権を楽しむなら、優勝校だけでなく、新チームの変化や選手の成長にも目を向けることをおすすめします。
- 新チームの完成度:3年生が抜けた後、どのような選手構成になっているか。
- 戦術の変化:従来のチームスタイルを継続するのか、新しい戦い方を採用するのか。
- 若手選手の台頭:1・2年生の選手がどのような役割を担うのか。
- 試合中の修正力:失点後や劣勢時に、どのような対応を見せるのか。
- 次年度への可能性:リーグ戦や新人戦、次の全国選手権につながる課題が見えるか。
2026年決勝の武南も、前半に先制されながら後半に4得点を奪いました。こうした試合展開には、新チームの修正力や成長の可能性が表れています。
なお、裏選手権は年度によって天候や試合形式が変更されることもあります。2022年のように決勝が短縮され両校優勝となったケースもあるため、歴代優勝校を比較する際には、その年の大会条件も確認することが大切です。
【高校サッカー裏選手権に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:高校サッカーの裏選手権とは何ですか?
A1:ニューバランスカップ in 時之栖の通称です。正式には新春高校サッカー強化研修大会と呼ばれ、全国高校サッカー選手権大会への出場を逃した強豪校などが集まり、新チームの強化を目的に競い合います。
Q2:裏選手権2026の優勝校はどこですか?
A2:埼玉県の武南高校です。2026年1月6日の決勝で静岡県の藤枝東高校を4-1で破りました。準優勝は藤枝東、3位は帝京、4位は西武台です。
Q3:裏選手権の出場資格や参加条件は何ですか?
A3:高校サッカー部単位で参加する大会です。日刊スポーツの2026年大会取材記事では、参加基準として過去3年間の全国大会出場経験などが紹介されています。一般の選手が個人で自由に申し込む大会ではありません。
Q4:裏選手権はいつ、どこで開催されますか?
A4:例年1月上旬に静岡県の時之栖スポーツセンターで開催されます。2026年大会は1月3日から6日までの4日間、裾野グラウンドやうさぎ島グラウンドなどで実施されました。
Q5:裏選手権で優勝すると全国高校サッカー選手権に出場できますか?
A5:出場できるわけではありません。裏選手権は独立した強化研修大会であり、全国高校サッカー選手権大会の都道府県予選や出場資格とは別の大会です。
高校サッカー裏選手権は、全国高校サッカー選手権大会への出場を逃した強豪校などが集まり、新チームの実力を試すニューバランスカップです。
2026年大会では全国36校が参加し、武南高校が藤枝東高校を4-1で破って優勝しました。前半0-1から後半に4得点を奪った逆転劇は、大会を代表する印象的な結果となりました。
また、準決勝で帝京を破った武南、PK戦を勝ち抜いた藤枝東、3位決定戦で7得点を挙げた帝京など、各校の戦いにも見どころがありました。
歴代優勝校には鹿島学園、山梨学院、流通経済大学付属柏、帝京、昌平、静岡学園など、全国レベルの強豪が並びます。
この大会の本質は、全国選手権の代わりとなるタイトル争いだけではありません。3年生が引退した後のチームが、全国の強豪との実戦を通じて課題を発見し、次のシーズンに向けて成長することにあります。
2026年11月現在、2026年大会はすでに終了しています。今後の大会を追う際には、優勝校だけでなく、参加校の顔ぶれ、若手選手の活躍、各チームの戦術的な変化にも注目すると、裏選手権をより深く楽しめるでしょう。
主な事実確認資料
- 時之栖スポーツセンター公式発表:2026年大会の日程・開催目的・参加校。
- 高校サッカードットコム:2026年決勝トーナメント全結果、武南対藤枝東の試合詳細、監督コメント。
- 日刊スポーツ:参加基準と大会の位置づけ。
- Green Cardニュース:2026年最終順位、過去の優勝校、2024・2025年大会結果。