2020年1月期には、話題性の高い作品が数多く放送されていました。
『病院の治しかた』の平均6.69%を同時期のドラマと比較すると、上位作品には及ばないものの、極端に低い数字ではなかったことが分かります。
2020年冬ドラマの平均視聴率との比較| 作品名 | 平均視聴率 |
|---|---|
| 『恋はつづくよどこまでも』 | 11.58% |
| 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』 | 9.91% |
| 『知らなくていいコト』 | 9.48% |
| 『アライブ がん専門医のカルテ』 | 7.02% |
| 『10の秘密』 | 6.89% |
| 『病院の治しかた』 | 6.69% |
| 『心の傷を癒すということ』 | 5.45% |
※2020年冬ドラマの視聴率集計資料に基づく比較。集計対象や放送条件は作品によって異なります。
この比較では、『病院の治しかた』は『10の秘密』や『アライブ』をわずかに下回っています。一方、『心の傷を癒すということ』は上回っています。
『恋はつづくよどこまでも』のような平均11%を超えるヒット作と比較すれば差がありますが、同時期のドラマとして極端に低迷した作品とはいえません。
ドラマBiz枠の中ではどんな位置づけだった?ドラマBizは、テレビ東京が2018年4月にスタートさせた月曜夜10時のドラマ枠です。
刑事ドラマや恋愛ドラマとは異なり、仕事や企業経営、社会の仕組みなどを題材にした大人向けの作品を展開していました。
『病院の治しかた』は、その第8弾として制作された作品です。
初回8.1%という数字は、枠の歴史において大きな成果でした。
加えて、平均視聴率だけではなく、東京ドラマアウォード2020で優秀賞を獲得したことも重要です。
つまり、視聴率ランキングでは中位以下だった一方、独自の題材や作品性は業界からも評価されていた作品でした。
【実話のモデルを解説】相澤病院・小平奈緒とドラマの関係

『病院の治しかた』を理解するうえで欠かせないのが、長野県松本市にある実在の医療機関、です。
このドラマは、同病院が経営危機から立ち直った実話をベースに制作されました。
相澤病院はなぜドラマのモデルになったのかテレビ東京の公式発表によると、相澤病院はかつて10数億円の赤字を抱え、倒産の危機に直面していました。
転機となったのは、1994年に相澤孝夫氏が理事長・院長に就任したことです。
同氏は病院の経営改革に乗り出し、24時間365日の救急医療体制を整備。地域の医療機関との連携も進めました。
こうした取り組みが、経営再建につながっていきます。
ドラマでは、この改革を有原総合病院の再建という物語に置き換えています。
小平奈緒と相澤病院のつながりさんは、平昌冬季オリンピックのスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した選手です。
相澤病院に所属していたことでも知られ、テレビ東京はドラマの制作発表時に、小平選手と相澤孝夫理事長、小泉孝太郎さんの対談を公開しました。
小泉さんは実際に相澤病院を訪問し、医療現場やスタッフの仕事ぶりを見学しています。
単に病院経営の数字を追うだけではなく、地域医療を支える人々の姿を知ったうえで主人公を演じたことが、作品のリアリティーにつながっています。
ドラマの登場人物と実在の人物の関係| ドラマの人物・要素 | 実在のモデル・関係者 | 関係性 |
|---|---|---|
| 有原修平(小泉孝太郎) | 相澤孝夫氏 | 相澤病院の経営改革を率いた理事長がモデル |
| 倉嶋亮介(高嶋政伸) | 塚本建三氏 | 銀行出身で病院再建を支えた人物がモデル |
| 有原総合病院 | 相澤病院 | 経営危機からの再生という実話がベース |
| 小平奈緒 | 相澤病院に所属した選手 | 病院の知名度を高めた実在のアスリート |
| テレビ東京・ドラマBiz | テレビ東京・The icon | 共同制作したドラマの放送・制作関係 |
テレビ東京の公式番組情報では、有原修平のモデルを相澤孝夫氏、倉嶋亮介のモデルを塚本建三氏と明記しています。
塚本氏は銀行の企業再建部門での経験を持ち、相澤病院に移ってからは医薬品や医療材料の価格交渉、借入金利の削減、人事制度の改革などを担当しました。
この関係性を知ると、作品の中心にあるのが単なる医師の成功物語ではなく、医療と経営を両立させるための組織改革だったことが見えてきます。
【全7話で終了した理由】打ち切り説は本当なのか
『病院の治しかた』について検索すると、「全7話なのは視聴率が悪かったから?」「打ち切りになったのでは?」という疑問が見つかります。
しかし、放送回数と視聴率の推移を整理すると、打ち切り説を裏付ける材料は乏しいと判断できます。
理由1:最終回まで視聴率が回復している打ち切り説を考える際に注目したいのは、最終回に向けた視聴率の動きです。
第4話では5.7%まで下がりましたが、その後は6.2%、6.3%、6.4%と上昇しました。
最終回の6.4%は、直前の第6話を0.1ポイント上回っています。
視聴率が終盤に急落し続けたわけではなく、むしろ最終回に向けて持ち直しています。
理由2:公式サイトでは第7話が最終回として告知されているテレビ東京の公式番組ページでは、2020年3月9日放送の第7話が「最終回」として掲載されています。
その内容も、病院の存続をかけた最後の戦いを描く、物語の決着に当たるものでした。
全7話で終了したという事実だけでは、途中で打ち切られた証拠にはなりません。
理由3:ドラマBiz枠の終了と作品の終了は別の話もう一つ、混同されやすいのがドラマBiz枠そのものの終了です。
テレビ東京は2020年7月、月曜夜10時のドラマBiz枠を終了し、新たにバラエティー枠を設けると発表しました。
日刊スポーツが報じたテレビ東京の社長会見では、ドラマBizの終了について、新型コロナウイルスの影響ではなく、もともと決まっていたことだと説明されています。
ただし、これは『病院の治しかた』が最終回を迎えた2020年3月より後の出来事です。
したがって、ドラマBiz枠の終了を理由に、本作が7話で打ち切られたと考えるのは時系列的にも正しくありません。
【続編はある?2026年現在の放送状況】
『病院の治しかた』には、実は連続ドラマ終了後の続編が存在します。
2021年7月26日に放送された『病院の治しかた~スペシャル~』です。
2021年に新作スペシャルが放送されたテレビ東京は2021年7月26日、月曜プレミア8枠で新作スペシャルを放送しました。
主演の小泉孝太郎さんをはじめ、高嶋政伸さん、小西真奈美さん、稲葉友さん、浅田美代子さん、角野卓造さんらが出演。
加えて、NEWSの加藤シゲアキさんが新たな出演者として加わりました。
スペシャル版ではコロナ禍の病院経営を描いた物語の舞台は2020年5月。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、有原総合病院は新たな経営危機に直面します。
院内感染への警戒から受診を控える患者が増え、病院の収入が大きく減少。修平と倉嶋は再び病院経営の難題に向き合います。
注目すべきなのは、連続ドラマで描かれた病院再建の物語を、コロナ禍という現実の医療問題に接続させた点です。
制作会社The iconも、このスペシャル版を2020年放送の連続ドラマの続編として紹介しています。
2026年現在、新シリーズの予定は?2026年11月現在、公式に確認できる大きな続編展開は、2021年のスペシャル版です。
2023年や2024年にはBSテレ東でスペシャル版の番組放送情報も掲載されていますが、これらは新作の連続ドラマ第2期が始まったことを意味するものではありません。
したがって、作品の現在を整理すると次のようになります。
- 2020年:全7話の連続ドラマを放送
- 2021年:新作スペシャルを放送
- 2023~2024年:BSテレ東でスペシャル版の放送情報を掲載
- 2026年:連続ドラマ第2期の公式発表は確認できない
続編への期待は残りますが、現段階で新シリーズの制作決定を前提にすることはできません。
【病院の治しかたの視聴率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『病院の治しかた』の平均視聴率は何%ですか?
A1:全7話の視聴率を単純平均すると約6.69%です。各話の数字は8.1%、7.0%、7.1%、5.7%、6.2%、6.3%、6.4%です。6.86%という数値は、この7話の平均計算とは一致しません。
Q2:『病院の治しかた』は視聴率が悪くて打ち切りになったのですか?
A2:打ち切りを裏付ける公式発表はありません。最終回は6.4%で、前週よりも上昇しています。全7話で完結したことだけを理由に、視聴率による打ち切りと判断することはできません。
Q3:『病院の治しかた』の続編はありますか?
A3:あります。2021年7月26日に『病院の治しかた~スペシャル~』が放送されました。コロナ禍の病院経営を描いた新作です。ただし、2026年11月現在、連続ドラマ第2期の公式発表は確認できません。
『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』の視聴率を振り返ると、初回8.1%というドラマBiz枠の好記録から始まり、平均6.69%で全7話を終えた作品でした。
特に押さえておきたい要点は次の5つです。
- 初回視聴率は8.1%で、当時のドラマBiz枠の初回最高記録。
- 全7話の平均視聴率は6.69%。
- 最終回は6.4%で、中盤の5.7%から回復。
- 低視聴率による打ち切りを裏付ける根拠は見当たらない。
- 2021年には続編となるスペシャルドラマが制作された。
本作の価値は、視聴率の数字だけでは測れません。
相澤病院の実際の経営改革を題材に、医師として患者を救うことと、経営者として病院を存続させることの両立を描いた点に独自性があります。
東京ドラマアウォード2020での優秀賞受賞も、その作品性を示す実績です。
【プロの結論】
『病院の治しかた』を評価するなら、初回8.1%という話題性、平均6.69%という視聴実績、そして実話を基にした病院経営ドラマとしての独自性を分けて考えるべきです。
全7話で終わったから失敗した作品という見方は適切ではありません。2021年のスペシャル版まで制作された経緯を踏まえれば、視聴者や制作側に一定の支持を得た作品だったことが分かります。
2026年現在も、医療ドラマとしてだけでなく、地域医療や病院経営の現実を知るきっかけになる作品として、改めて注目する価値があります。
主な参考資料:テレビ東京公式番組ページ・視聴率発表、ビデオリサーチ、東京ドラマアウォード2020関連情報、日刊スポーツ、2020年冬ドラマ視聴率集計資料。