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【2026年最新】大王製紙の社長・若林賴房氏とは?経歴と就任までの道のり

風杜 蓮 風杜 蓮 • 更新: • 公開: • 読了約 22 分
目次

若林賴房氏は、創業家出身ではなく、1984年に大王製紙へ入社した生え抜きの経営者です。営業部門を中心に経験を積み、取締役、常務取締役を経て代表取締役社長に昇格しました。

若林賴房氏のプロフィールと主な経歴
項目 内容
氏名 若林賴房(わかばやし・よりふさ)
生年月日 1961年8月13日
大王製紙入社 1984年4月
2012年1月 執行役員・新聞用紙営業本部長
2016年4月 執行役員・洋紙営業本部長
2017年6月 取締役・ホーム&パーソナルケア国内事業部長
2018年7月 常務取締役
2021年4月 代表取締役社長・社長執行役員
2025年6月 代表取締役社長・社長執行役員に再任

経歴を見ると、若林氏は新聞用紙、洋紙、家庭紙という大王製紙の主要事業を経験してきました。特に家庭用品を扱うホーム&パーソナルケア部門での実務経験は、エリエール事業を抱える同社の経営を理解するうえで要点です。

2021年4月の社長交代では、2011年から約10年間社長を務めた佐光正義氏が会長に就任し、若林氏が後任に選ばれました。2025年6月にも社長として再任されており、2026年現在も経営のトップを担っています。turn834024view0turn165623search4

2026年の大王製紙はどのくらいの規模なのか

大王製紙は1943年5月5日に設立された総合製紙メーカーです。愛媛県四国中央市と東京都千代田区に本社機能を置き、紙・板紙・パルプのほか、衛生用品、紙おむつ、機能性材料などを展開しています。

2026年3月期の会社概要によると、主な経営データは次のとおりです。

- 連結売上高:6,668億円
- 単独売上高:4,939億円
- 資本金:539億円
- 連結従業員数:11,639人
- 単独従業員数:2,356人

同年度の連結営業利益は約240億円でした。家庭紙ブランドの知名度だけでなく、産業用紙や包装資材などを含めた事業全体が経営基盤になっています。turn138978search1turn874653search5

【歴代社長一覧】井川伊勢吉から若林賴房まで7代の変遷

大王製紙社長

大王製紙の歴代社長を理解するうえで欠かせないのが、創業家と非創業家の経営者が交互にトップを務めてきた歴史です。

創業から1980年代までは井川家が経営の中心を担いました。その後、創業家以外の経営者への交代を経て、2007年には井川意高氏が社長に就任。2011年の事件を経て、佐光正義氏、若林賴房氏へと経営のバトンが渡されています。

大王製紙の歴代社長と在任期間
在任期間 社長 経営上の位置づけ 1943~1964年、1965~1987年 井川伊勢吉 創業者。会社の設立と事業基盤の形成を主導 1987~1995年 井川高雄 創業家2代目。事業拡大を推進 1995~2001年 大沢保 創業家以外からの社長 2001~2007年 二神勝利 創業家以外からの社長 2007~2011年 井川意高 創業家3代目。2011年に事件が発覚 2011~2021年 佐光正義 事件後の経営再建と体制整備 2021年~現在 若林賴房 現社長。生え抜きの経営者

出典:大王製紙の公式情報、愛媛県の人物資料、歴代経営者の公開記録をもとに整理。井川伊勢吉氏は会社更生手続に伴い一時退任し、1965年に復帰。turn600538search0turn600538search32turn874653search8

創業者・井川伊勢吉氏が築いた大王製紙の原点

井川伊勢吉氏は1909年、愛媛県宇摩郡三島村(現在の四国中央市)に生まれました。高等小学校を卒業後、家業の製紙原料商を手伝い、1928年には三島で製紙原料商を開始しています。

その後、1940年に丸菱製紙所の経営権を取得し、1941年には四国紙業株式会社を設立。1943年、愛媛・香川・高知の14工場が合同して大王製紙が誕生すると、初代社長に就任しました。

戦後は和紙から洋紙への転換を進め、パルプから紙までを一貫生産する体制を整備。新聞用紙市場への本格参入や工場設備の拡充を進め、地域の製紙産業の発展にも貢献しました。

大王製紙の現在の経営理念にも、井川伊勢吉氏が大切にした「誠意と熱意」という創業精神が受け継がれています。turn834024view3turn834024view4turn834024view2

井川高雄氏はどのような経営者だったのか

井川高雄氏は井川伊勢吉氏の長男で、創業家2代目に当たります。

1962年に大王製紙が会社更生法の適用を申請した際、大学卒業とともに入社しました。一時的に関係会社へ出向し、1965年の更生手続終結後に大王製紙へ復帰しています。

1987年に社長へ就任し、1995年まで経営トップを務めました。その後は会長を経て、2005年には取締役を退き顧問となっています。

ここで注目すべきなのは、顧問になった後も経営への関与が続いていた点です。2011年10月27日付の大王製紙の特別調査委員会報告書は、井川高雄氏が各部署から定期的に報告を受け、大王製紙の経営に関与していたことを記録しています。

つまり、肩書上の社長や取締役を退いたことと、実際の経営への影響力がなくなったことは同じではありませんでした。事件当時の大王製紙を理解するうえで、この点は見落とせません。

井川高雄氏は2011年10月28日付で顧問を解嘱されています。turn313206view0

【大王製紙事件】井川意高氏の106億円問題と特別背任の真相

大王製紙の歴史で、経営体制を大きく変えるきっかけになったのが、2011年に発覚した井川意高元会長による巨額借入問題です。

この事件は、創業家3代目の井川意高氏が、グループ会社の資金を個人的な用途に使用していたことが問題となったもので、会社法違反の特別背任事件として刑事事件に発展しました。

井川意高氏とは?創業家3代目の経歴

井川意高氏は1964年生まれ。東京大学法学部を卒業後、1987年に大王製紙へ入社しました。

2007年6月に代表取締役社長へ就任し、2011年6月には会長となりました。しかし、同年9月に子会社からの巨額借入問題が表面化し、9月16日に会長と取締役を辞任しています。

井川氏は井川高雄氏の長男であり、創業者・井川伊勢吉氏の孫に当たります。創業家の血縁を背景に経営トップへ上り詰めた人物でした。turn834024view5

106億8,000万円はどのように借り入れられたのか

大王製紙の特別調査委員会が2011年10月に公表した調査報告書によると、井川意高氏は2010年5月から2011年9月にかけて、グループの連結子会社7社から合計106億8,000万円の貸付を受けていました。

貸付は合計26回にわたり実施され、会社資金が本人の個人口座などへ振り込まれていました。調査報告書では、会社間の貸付に見える形を取った取引についても、実態は個人への迂回融資だったと認定しています。

さらに問題だったのは、貸付の手続きです。

- 7社の役員に対して個別に振込指示が行われていた。
- 貸付はすべて無担保だった。
- 事前に適法な取締役会で審議されていなかった。
- 多くのケースで振込後に契約書や議事録が作成されていた。
- 会社側の役員や監査部門が問題を早期に止められなかった。

調査報告書によれば、2011年9月時点で未返済元金は約59億3,000万円に達していました。貸付を行った子会社の一部では資金繰りにも影響が出ていました。

資金の使途については、井川氏の公式プロフィールでも、シンガポールやマカオのカジノで使用する目的だったと説明されています。turn313206view0turn834024view5turn165623search15

東京地方検察庁特別捜査部による捜査と判決

事件の発覚後、東京地方検察庁特別捜査部が捜査を進めました。井川意高氏は2011年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕されています。

2012年10月には東京地方裁判所で懲役4年の実刑判決が言い渡され、その後、判決が確定しました。井川氏の公式プロフィールによると、2013年10月から2016年12月まで服役しています。

この事件は単に経営者個人が多額の資金を借りたという問題ではありません。グループ企業の役員が貸付を止められず、親会社の監督機能や内部通報制度も十分に機能しなかったという、組織全体のガバナンスの問題でもありました。turn834024view5turn313206view0

【社長交代の経緯】佐光正義氏への交代から現在の経営体制へ

2011年の大王製紙事件を考える際に注意したいのは、井川意高氏から佐光正義氏への社長交代が、事件発覚後ではなく、2011年6月に行われていたことです。

佐光氏は、1978年に大王製紙へ入社した生え抜きの経営者です。家庭紙事業の営業を担当し、常務、専務、副社長を経て、2011年6月に社長へ就任しました。

佐光正義氏は事件後の経営をどう引き継いだのか

佐光氏が社長に就任した時点では、井川意高氏は会長でした。その後、2011年9月に借入問題が発覚し、井川氏は会長と取締役を辞任。佐光社長を中心とした経営体制で調査と再発防止策が進められました。

大王製紙は特別調査委員会を設置し、貸付の経緯や社内の監督体制を検証しました。また、企業統治改革委員会を設けるなど、再発防止に向けた取り組みも進めています。

井川高雄氏についても、特別調査委員会の調査を経て2011年10月28日付で顧問を解嘱。創業家関係者が会社経営に及ぼしていた影響力を見直す動きが明確になりました。

佐光氏は2021年3月まで社長を務め、同年4月に会長へ就任しました。後任には、営業部門を歩んできた若林賴房氏が選ばれています。turn313206view0turn874653search8turn165623search4

若林賴房氏への交代が持つ意味

2021年の社長交代は、単なる役員人事というだけではありません。創業家の人物が経営トップを務めた時代から、長年社内で実務を経験した経営者が会社を率いる流れを定着させる人事でもありました。

佐光氏と若林氏に共通しているのは、長い社内経験を持ち、営業や事業部門を理解している点です。社内の事業構造を把握した経営者がトップに立つことで、事業運営と企業統治の両面を安定させる狙いが読み取れます。

ただし、創業家から生え抜きの社長へ交代しただけで、ガバナンス改革が完成するわけではありません。経営者個人に権限が集中しない仕組みを継続して運用できるかが、本当の評価基準になります。

【2026年最新役員一覧】大王製紙の経営陣と企業統治の実態

2026年の大王製紙は、社長と副社長を中心に、事業執行を担う社内取締役と、独立した立場から経営を監督する社外取締役によって構成されています。

2026年10月時点の主な取締役

大王製紙の公式役員一覧に掲載されている取締役は、次の15名です。

代表取締役

- 若林賴房:代表取締役社長執行役員
- 山﨑浩史:代表取締役副社長執行役員

社内取締役

- 藤田浩幸
- 棚橋敏勝
- 品川舟平
- 藤井喜継

社外取締役

- 織田直祐
- 堀江誠
- 政井貴子
- 岩田義浩

監査等委員である取締役

- 田中幸広
- 木村洋介
- 武井洋一
- 岡田恭子
- 野口昌邦

このうち、武井氏、岡田氏、野口氏は社外取締役で監査等委員を務めています。弁護士、公認会計士、他社の経営経験者など、異なる専門性を持つ人材が経営監督に参加している点が特徴です。turn381956view0turn381956view1turn381956view2

取締役会の構成から見るガバナンス改革

大王製紙のESGデータによると、2026年6月時点の取締役会の構成は以下のとおりです。

項目 人数・割合
取締役の総数 15名
独立社外取締役 7名
女性取締役 2名
女性取締役比率 13.3%
監査等委員である取締役 5名
うち独立社外取締役 3名

特に注目されるのが、2025年6月26日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行したことです。

監査等委員会設置会社では、監査等委員である取締役が取締役会の一員として経営の意思決定に参加するとともに、業務執行を監査・監督します。

大王製紙の場合、監査等委員会は5名で構成され、うち3名が独立社外取締役です。委員長を務める武井洋一氏は弁護士であり、岡田恭子氏は企業経営や監査の経験を持ち、野口昌邦氏は公認会計士です。

2026年3月期の有価証券報告書では、監査等委員会が大王製紙の22部署、国内子会社23社、海外3か国の3社を対象に実地監査を行ったことも記されています。

また、内部監査室との連携や会計監査人との情報交換も実施されています。こうした仕組みは、2011年の事件で問題となった子会社管理や内部監督の不備を防ぐうえで重要な役割を持っています。turn701914search0turn445544view2turn691184view2

2026年の執行役員と経営方針

執行役員についても、2026年10月1日現在の公式役員一覧では、若林社長と山﨑副社長を中心に、各事業部門を担当する体制が示されています。

主な執行役員には、ホーム&パーソナルケア事業を担当する藤田浩幸氏、生産部門を担当する棚橋敏勝氏、経営企画などを担当する品川舟平氏、紙・板紙事業を担当する藤井喜継氏がいます。

若林社長が掲げる経営方針の柱の一つは、2024年に策定された長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」です。

同ビジョンでは、製紙事業に加え、ホーム&パーソナルケアや新素材領域を成長させること、国内需要の減少を見据えて海外事業を拡大すること、エネルギー転換やカーボンニュートラルを推進することなどが掲げられています。

また、若林社長のメッセージでは、人材育成と企業文化の変革も重視されています。これは、経営者個人の判断だけに依存せず、組織全体の力で企業価値を高めようとする現在の経営方針を示しています。turn834024view2turn381956view2

【誤解を解消】大王製紙の会社更生法と2011年事件は別の出来事

大王製紙について調べると、「会社更生法」「井川家」「特別背任」という言葉が一緒に検索されることがあります。しかし、1962年の会社更生法申請と2011年の特別背任事件は、まったく別の時代に起きた問題です。

1962年の会社更生法申請とは

1962年5月、大王製紙は会社更生手続開始を申し立てました。設備投資に伴う借入金負担に加え、原木価格の高騰や製品価格の下落などが重なり、資金繰りが悪化したためです。

同年6月に更生手続開始が決定され、1964年4月に更生計画が認可。1965年4月には更生手続が終結しました。

この過程で井川伊勢吉氏は一度社長を退き、1965年に復帰しています。したがって、歴代社長一覧で井川伊勢吉氏の在任期間を1943年から1987年までとまとめる場合も、1964年から1965年にかけての一時退任を理解しておく必要があります。

会社更生法の申請は、事業の再建を目的とした法的整理でした。2011年の事件のように、経営者個人への不正な資金流出をめぐる刑事事件とは性質が異なります。turn165623search2turn600538search32turn600538search2

エリエールブランドはいつ誕生したのか

大王製紙の知名度を高めた代表的なブランドが、家庭用品の「エリエール」です。

公式の歴史・沿革によると、1979年にティシューペーパー「エリエール」の製造販売を開始し、家庭紙市場へ参入しました。同じ年にはトイレットティシューの製造販売も始めています。

その後、家庭紙を中心とした事業を拡大し、紙おむつや生理用品、ウェットワイプなど、生活に密着した商品群を展開してきました。

現在の大王製紙は、新聞用紙や印刷用紙を製造する伝統的な製紙会社であると同時に、一般消費者向けの衛生用品メーカーとしての側面も持っています。

この事業構造を理解すると、社長交代が単なる製紙業界の人事問題ではなく、国内家庭紙市場や海外事業の成長戦略にも関わる問題であることが分かります。turn675325view0turn834024view3turn138978search1

【よくある質問】大王製紙の社長と歴代経営者に関するFAQ

Q1:2026年現在の大王製紙の社長は誰ですか?
A1:若林賴房氏です。2021年4月に代表取締役社長・社長執行役員へ就任し、2025年6月にも再任されています。

Q2:若林賴房氏は創業家の人物ですか?
A2:創業家の人物ではありません。1984年に大王製紙へ入社した生え抜きの経営者で、新聞用紙、洋紙、ホーム&パーソナルケアなどの部門を経験して社長に就任しました。

Q3:井川意高氏はなぜ大王製紙の社長を辞めたのですか?
A3:2011年にグループ子会社7社から合計106億8,000万円を借り入れていた問題が発覚したためです。同年9月16日に会長と取締役を辞任し、11月には特別背任容疑で逮捕されました。

Q4:井川高雄氏は現在も大王製紙の経営に関与していますか?
A4:井川高雄氏は2011年10月28日付で大王製紙の顧問を解嘱されています。事件当時は顧問として経営に関与していたことが特別調査委員会報告書に記されていますが、その当時の状況を2026年の経営体制にそのまま当てはめることはできません。

Q5:大王製紙の歴代社長は何人いますか?
A5:一般的な歴代社長一覧では、創業者の井川伊勢吉氏から現社長の若林賴房氏まで7代に整理されます。井川伊勢吉氏は1962年の会社更生手続に伴い一時退任し、1965年に復帰しています。

Q6:大王製紙は2011年の事件で会社更生法を申請したのですか?
A6:いいえ。会社更生法の適用を申請したのは1962年です。2011年の大王製紙事件は、井川意高元会長による子会社資金の不正借入をめぐる特別背任事件です。

Q7:2026年の大王製紙の企業統治はどうなっていますか?
A7:2025年6月に監査等委員会設置会社へ移行しています。2026年6月時点では取締役15名、独立社外取締役7名、女性取締役2名という構成で、監査等委員会による経営監督も行われています。

2026年11月現在、大王製紙の社長は若林賴房氏です。1984年の入社以来、営業部門を中心にキャリアを積み、2021年4月に社長へ就任しました。

同社の歴史を振り返ると、井川伊勢吉氏による創業、井川高雄氏による事業拡大、井川意高氏の特別背任事件、佐光正義氏による事件後の経営、そして若林氏による現在の組織運営という大きな流れが見えてきます。

2011年の事件が残した教訓は、経営者個人の資質だけでは企業の健全性を守れないということです。子会社の資金管理、取締役会の監督、内部通報、独立した監査機能が連動して初めて、不正を防ぐ仕組みが機能します。

2025年の監査等委員会設置会社への移行や、2026年時点での独立社外取締役7名という体制は、こうした課題に対応するための制度面の変化として注目できます。

今後の大王製紙を評価する際には、社長が誰なのかだけでなく、若林体制がどのように収益力を高めるのか、エリエールを中心とした家庭用品事業をどう成長させるのか、そして企業統治の仕組みが実際に機能しているのかという3点を見ていくことが重要です。

創業家の影響力を背景に成長した企業から、専門性を持つ経営陣と独立した監督機能によって運営される企業へ。大王製紙の現在は、その歴史的な転換がどこまで定着したかを問われる段階にあります。

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