戸田懐生(とだ・なつき)は、2026年シーズン、韓国プロ野球KBOリーグのNCダイノスでプレーした右腕投手です。読売ジャイアンツを2025年オフに退団し、KBOリーグで新設されたアジアクォーター制度を利用して韓国へ移籍。新天地では背番号11を背負い、先発投手として29試合に登板しました。
2026年シーズンの最終成績は8勝11敗、防御率5.03、145投球回、107奪三振。防御率には課題を残した一方、日本人投手として16年ぶりとなる規定投球回到達を達成しました。巨人時代には一軍と育成契約を行き来した戸田が、韓国で年間を通して先発ローテーションを担ったことは、大きなキャリアの転換点です。
【現在】戸田懐生は韓国NCダイノスで2026年シーズンを完走
戸田懐生の2026年の所属先は、韓国のプロ野球球団NCダイノスです。韓国南部の慶尚南道・昌原(チャンウォン)を本拠地とする球団で、ホーム球場は昌原NCパークです。
巨人を退団した戸田にとって、2026年は初めて日本国外のプロ野球リーグで本格的にプレーするシーズンでした。新しいチーム、新しい競争環境、そして日本とは異なるストライク判定システムへの適応が求められました。
2026年シーズンの最終成績KBO公式記録によると、戸田の2026年シーズン成績は次のとおりです。
- 所属:NCダイノス
- 背番号:11
- 登板:29試合
- 先発:27試合
- 勝敗:8勝11敗
- 防御率:5.03
- 投球回:145回
- 被安打:169本
- 被本塁打:21本
- 奪三振:107個
- 与四球:52個
- WHIP:1.52
- クオリティースタート:9回
特に注目したいのは、145イニングという投球回数です。KBOの規定投球回は144回で、戸田はシーズン最終戦にリリーフ登板して1回2/3を投げ、最終的に145回まで積み上げました。
この達成は、日本人投手として16年ぶりの規定投球回到達として報じられています。外国人選手として新制度のもとで加入した初年度に、シーズンを通じて投げ続けた実績は評価すべきポイントです。
本人もInstagramで2026年シーズンの終了を報告。チームメート、スタッフ、ファンへの感謝を伝え、新しい挑戦を支えてくれた人々への思いを示しました。
なお、2026年11月6日時点で確認できるのは、2026年シーズンをNCで終えたという事実です。2027年の契約更新や退団については、正式な発表を確認できていないため、次季の所属先は今後の発表が焦点になります。
【プロフィール】戸田懐生は愛知県高浜市出身の右投右打投手
戸田懐生は2000年7月22日生まれ。愛知県高浜市出身のプロ野球選手です。右投右打で、身長は170cm。小柄な体格ながら、全身を使ったダイナミックな投球フォームと強気の投球を持ち味としています。
基本プロフィール- 名前:戸田懐生(とだ・なつき)
- 生年月日:2000年7月22日
- 年齢:26歳(2026年11月現在)
- 出身地:愛知県高浜市
- 身長:170cm
- 投打:右投右打
- ポジション:投手
- 2026年所属:NCダイノス
- 2026年背番号:11
- NPBドラフト:2020年育成選手ドラフト7位
プロフィールの基礎情報は日本野球機構(NPB)の選手記録や、四国アイランドリーグplusの公式資料などで確認できます。
東海大菅生で甲子園ベスト4を経験戸田の野球人生を語るうえで外せないのが、東海大菅生高校時代です。
2017年夏、2年生だった戸田は西東京代表の東海大菅生高校の一員として甲子園に出場しました。チームはベスト4に進出。戸田自身も投手として活躍し、将来を期待される存在になりました。
しかし、その年の秋に右肘を故障します。投球を続けることが難しくなり、高校を中退。愛知県に戻り、通信制のKTCおおぞら高等学院へ進みました。
野球から離れた時期を経験しながらも、競技への思いは消えませんでした。故障から回復した後、2019年6月に四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスへ入団します。
日刊スポーツの2020年ドラフト関連記事でも、甲子園4強から右肘の故障、高校中退、独立リーグでの再出発という経歴が紹介されています。
徳島インディゴソックスで年間MVPを獲得戸田の才能が改めて評価されたのが、独立リーグ時代です。
2019年は主に抑えとして登板し、2020年には先発投手として活躍。四国アイランドリーグplusの公式発表によれば、2020年の成績は18試合、9勝5敗、防御率1.24、139奪三振でした。
この活躍が認められ、2020年10月29日に年間MVPを受賞。最多勝、最多奪三振などのタイトルも獲得しました。
育成ドラフト7位という指名順位からは想像しにくいほどの実績を、すでに独立リーグで残していたのです。徳島での背番号も11でした。
【経歴・年度別成績】巨人入団から戦力外通告までの歩み
戸田は2020年の育成ドラフト7位で読売ジャイアンツから指名を受け、プロ入りしました。育成選手から支配下登録を勝ち取ったものの、長期的に一軍のポジションを確保するには至らず、育成契約への移行と支配下復帰を経験しています。
巨人でのキャリアは、単純な成績の上下だけでは説明できません。ファームで結果を残しながらも、一軍での登板機会を十分に得られなかったことが、韓国移籍につながる重要な背景でした。
戸田懐生のキャリア年表・主要実績| 時期 | 所属・出来事 | 主な実績・転換点 |
|---|---|---|
| 2017年 | 東海大菅生高校 | 夏の甲子園ベスト4。秋に右肘を故障。 |
| 2019年6月 | 徳島インディゴソックス | 独立リーグで競技復帰。背番号11。 |
| 2020年 | 徳島インディゴソックス | 18試合、9勝5敗、防御率1.24、139奪三振。年間MVP。 |
| 2020年10月 | 巨人育成ドラフト | 育成7位で読売ジャイアンツに指名される。 |
| 2021年 | 読売ジャイアンツ | 6月に支配下登録。一軍3試合、防御率0.00。 |
| 2022年 | 読売ジャイアンツ | 一軍14試合、1勝、防御率6.55。シーズン後に育成契約へ。 |
| 2023~2024年 | 巨人・ファーム | 2024年は29試合、2勝2敗、防御率2.03。 |
| 2025年3月 | 読売ジャイアンツ | 3年ぶりに支配下復帰。背番号95。 |
| 2025年10月 | 巨人退団 | 一軍2試合、二軍35試合、防御率2.42。10月6日に戦力外通告。 |
| 2025年12月 | NCダイノス | アジアクォーター枠で韓国移籍。背番号11。 |
| 2026年 | NCダイノス | 29試合、8勝11敗、防御率5.03。145投球回で規定投球回到達。 |
NPB公式の一軍年度別成績では、2021年は3試合で防御率0.00、2022年は14試合で1勝0敗、防御率6.55、2025年は2試合で0勝1敗、防御率3.38となっています。通算では19試合、1勝1敗、防御率5.53です。
2024年と2025年はファームで結果を残した一軍での登板数だけを見ると、巨人時代の戸田は目立った実績を残せなかったように見えます。しかし、ファームの成績には異なる側面があります。
2024年のイースタン・リーグでは29試合に登板し、2勝2敗2セーブ、防御率2.03を記録。2025年も二軍で35試合に登板し、4勝4敗、防御率2.42という成績でした。
2025年3月31日には3年ぶりの支配下登録を勝ち取り、背番号95を与えられました。しかし、一軍では4月に3年ぶりの登板を果たしたものの、出場は2試合にとどまりました。
そして10月6日、巨人は戸田に来季の契約を結ばないことを通知したと発表。ファームで一定の成績を残しながらも、一軍で継続的に起用される状況を作れなかったことが、退団という結果につながりました。
ここで注目したいのは、巨人退団が必ずしも投手としての能力を否定する出来事ではなかったことです。NPBの一軍で結果を残せるかどうかと、別のリーグで先発ローテーションを担えるかどうかは、同じ評価基準ではありません。
【韓国移籍の経緯】アジアクォーター制度が戸田の新天地を開いた
戸田懐生の韓国移籍を理解するには、2026年からKBOリーグで導入されたアジアクォーター制度を知る必要があります。
戸田は巨人から戦力外通告を受けた約2か月後の2025年12月10日、NCダイノスとの契約が発表されました。日本で次の所属先を探すだけではなく、韓国という海外市場に活躍の場を求めたのです。
アジアクォーター制度とは何かKBOが導入したアジアクォーター制度は、外国人選手の獲得枠を拡大するための新しい仕組みです。
従来の外国人選手枠は1球団3人でしたが、2026年からはアジア枠の選手を1人追加できるようになりました。対象となるのは、アジア野球連盟(BFA)加盟国・地域の国籍を持つ選手とオーストラリア国籍の選手です。
制度の主な条件は次のとおりです。
- 各球団がアジア枠の選手を1人まで保有できる。
- アジア国籍はBFA加盟国・地域が対象となる。
- オーストラリア国籍も対象に含まれる。
- 直前または当該年度にアジアリーグに所属していた選手が対象。
- 新規契約時の費用上限は、年俸・契約金・オプション実支給額・移籍金などを含めて総額20万ドル。
- 既存の外国人選手3人とアジア枠1人の計4人が同じ試合に出場できる。
この制度は2025年1月のKBO理事会で決定され、2026年シーズンから正式に運用されています。日本国籍の戸田は、この制度の対象となる選手です。
NCダイノスとの契約内容2025年12月10日、NCダイノスは戸田の獲得を発表しました。韓国の聯合ニュースによると、契約は1年契約で、最大総額13万ドルです。
- 契約金:2万ドル
- 年俸:10万ドル
- 出来高:最大1万ドル
- 契約期間:1年
- 契約総額:最大13万ドル
球団側は、戸田について先発とリリーフの両方をこなせる投手として評価。さまざまな役割で投手陣を支えることへの期待を示しました。
つまり、戸田の獲得は単なる外国人枠の補充ではなく、先発・救援の両方に対応できる投手を追加するというチーム編成上の狙いもあったと考えられます。
巨人退団後に韓国を選んだ理由2026年6月のTHE ANSWERのインタビューで、戸田は以前から海外でプレーしてみたいという夢を持っていたことを明かしています。
「できる場所があるなら」
海外挑戦を特別に大げさな決断として捉えるのではなく、プレーできる環境があるなら挑戦したいという自然体の考え方が伝わります。
巨人では一軍の登板機会が限られていましたが、韓国では新制度の対象選手として契約を結び、先発として投げる機会を得ました。結果的に2026年は27試合に先発し、規定投球回まで到達しています。
移籍によって環境と役割の両方が変わったことは、戸田のキャリアを考えるうえで非常に要点です。
【背番号11の由来】憧れの川上憲伸と同じ番号を韓国でも着用
戸田懐生を語るとき、背番号11は単なる選手番号ではありません。幼少期から憧れてきた投手、川上憲伸とのつながりを象徴する番号です。
幼少期から憧れていた川上憲伸川上憲伸は、中日ドラゴンズで活躍し、メジャーリーグのアトランタ・ブレーブスでもプレーした元投手です。中日ではエースとして知られ、通算117勝を記録しました。
愛知県出身の戸田にとって、地元の中日ドラゴンズは身近な存在でした。その試合を見て育ち、憧れの投手として川上の名前を挙げています。
戸田は東海大菅生高校時代の甲子園でも11番を背負い、徳島インディゴソックスでも同じ番号を着用しました。つまり、11番は韓国移籍後に初めて選んだ番号ではなく、以前から大切にしてきた番号だったのです。
NCダイノスで11番を譲り受けた背景NCダイノスへの移籍が決まった際、戸田は再び11番を希望しました。
ただし、当初その番号は別の選手が着用していました。そこで球団側が調整し、戸田が希望していた背番号11を着用できるように取り計らったとされています。
新しいチームで背番号を選ぶことは、外国人選手にとって必ずしも簡単ではありません。既存選手との兼ね合いやチーム事情があるからです。その中で球団が戸田の希望を尊重したことは、加入選手への配慮を示すエピソードです。
また、背番号11を背負うことは、戸田にとって自分の野球人生を振り返る意味も持っています。甲子園、独立リーグ、そして韓国。異なる舞台でも同じ番号を選び続けていることに、選手としての一貫性が表れています。
憧れの川上憲伸と同じ番号を背負うことは、単なる記念ではありません。自分自身の投球を確立しながら、幼い頃に抱いた夢を持ち続ける象徴とも受け取れます。
【韓国での評判】ABSへの適応と2026年の投手としての評価
戸田が韓国で直面した大きな違いの一つが、ストライク・ボール判定の仕組みです。
KBOリーグでは2024年からABS(自動ボール・ストライク判定システム)が全面導入されています。投球を追跡するシステムとAIが判定し、球審がその結果を伝える仕組みです。
日本のプロ野球とはストライクゾーンの判定に違いがあり、従来の配球や投球の組み立てをそのまま持ち込めるわけではありません。
戸田自身が語った韓国野球への適応2026年6月9日公開のTHE ANSWERのインタビューでは、戸田が韓国のABSに適応するまでの過程が紹介されています。
戸田は当初、日本の二軍で慣れていたストライクゾーンとの違いに苦労したと説明。特に左右のゾーンの違いを感じ、内角を意識させて外の変化球を振らせる従来の組み立てを修正する必要があったと語っています。
「ストライクゾーンでとにかく勝負することですね。そうじゃないとこのリーグでは厳しい」
この言葉から分かるのは、戸田が単に日本での投球スタイルを維持するのではなく、韓国の環境に合わせて自分の投球を変えようとしていたことです。
加えて、戸田の直球は伸びるような球質が特徴で、高めのストライク判定が有利に働く場面もあったといいます。韓国の打者は直球に強いと感じながらも、直球で勝負できる投手であり続けることにこだわっていました。
2026年は規定投球回到達という大きな実績2026年の成績を評価する際には、勝敗と防御率だけでなく、投球回数にも目を向ける必要があります。
防御率5.03、WHIP1.52は、先発投手として決して満足できる数字ではありません。被安打169本、被本塁打21本という数字からも、走者を背負う場面や長打を許す場面が少なくなかったことが分かります。
一方で、29試合中27試合に先発し、145イニングを投げたことは明確な実績です。シーズンを通じて先発の役割を担い、規定投球回まで投げ切ったことは、韓国のプロ野球で一定の信頼を得ていた証拠といえます。
また、6月19日のSSGランダース戦では、雨天コールドによる6回終了ながら完投勝利を記録。KBOでの日本人投手による完投勝利としても歴史に残る登板となりました。
韓国のファンからの反応戸田の韓国での評判を考えるうえで興味深いのが、2026年6月のTHE ANSWERによる現地取材です。
同記事では、取材を終えてロッカーに戻ろうとする戸田に、韓国のファンが「トダサン!」と声をかけ、戸田が汗だくになりながらサインに応じた様子が紹介されました。
これは韓国での認知が広がっていたことを感じさせる現場の一場面です。少なくとも、戸田が昌原の本拠地でファンとの接点を持ちながらプレーしていたことが分かります。
ただし、こうした取材時のエピソードと、韓国全体での人気や評価は別の話です。客観的に評価するなら、ファンの反応だけでなく、年間145投球回という記録や規定投球回到達といった実績を合わせて見る必要があります。
2027年に向けて注目すべきポイント今後の戸田に求められるのは、2026年に証明した投球回数を維持しながら、投球内容を改善することです。
特に注目したいのは次の3点です。
- 防御率の改善:2026年の5.03から、より失点を抑えられる投球へ進化できるか。
- 制球力の向上:52四球という数字を減らし、無駄な走者を出さない投球を実現できるか。
- 被本塁打の抑制:21本の被本塁打を減らし、韓国の強打者に対して安定した投球ができるか。
2026年は投球回数という点で大きな成果を残しました。次の段階は、長いイニングを投げられることに加えて、失点を抑える能力を高めることです。
なお、2027年の契約については正式発表を待つ必要があります。今後の動向を見る際は、契約更新、球団の選手登録、背番号の発表など、具体的な公式情報を判断材料にすることが大切です。
【戸田懐生の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:戸田懐生は現在どこの球団に所属していますか?
A1:2026年シーズン終了時点では、韓国KBOリーグのNCダイノスに所属していました。背番号は11です。2027年の契約更新については正式発表を確認できていません。
Q2:戸田懐生の2026年シーズンの成績は?
A2:29試合に登板し、8勝11敗、防御率5.03、145投球回、107奪三振でした。日本人投手として16年ぶりに規定投球回へ到達したことも大きな実績です。
Q3:戸田懐生が韓国で背番号11を選んだ理由は?
A3:幼少期から憧れていた元中日ドラゴンズの川上憲伸と同じ番号だからです。高校時代や徳島インディゴソックス時代にも11番を着用しており、NCでは球団の調整によって希望が実現しました。
Q4:戸田懐生はなぜ巨人を退団したのですか?
A4:2025年10月6日に巨人から来季の契約を結ばないと通知されたためです。2025年は一軍2試合の登板にとどまりましたが、二軍では35試合、4勝4敗、防御率2.42を記録していました。
Q5:戸田懐生は韓国で評価されていますか?
A5:2026年は先発27試合を含む29試合に登板し、145投球回を記録しました。防御率には改善の余地がありますが、年間を通じて投げ続け、規定投球回に到達した点は評価できます。現地取材ではファンから声をかけられ、サインに応じる様子も報じられています。
戸田懐生の野球人生は、決して一直線ではありませんでした。
東海大菅生高校時代の甲子園ベスト4、右肘の故障による高校中退、徳島インディゴソックスでの年間MVP、巨人での育成契約と支配下復帰、そして2025年の戦力外通告。数々の転機を経験しながら、2026年には韓国KBOリーグのNCダイノスで新たな挑戦を始めました。
その初年度は8勝11敗、防御率5.03という成績でした。数字だけなら課題も残りますが、145イニングを投げて規定投球回に到達したことは、投手としての継続力を示す大きな成果です。
また、憧れの川上憲伸と同じ背番号11を韓国でも背負えたことは、戸田にとって特別な意味を持つ出来事でしょう。
今後の評価を左右するのは、2026年に築いた先発投手としての実績を、次のシーズンにつなげられるかどうかです。防御率の改善、制球力の向上、そしてKBOの打者へのさらなる適応が鍵になります。
巨人退団は野球人生の終わりではありませんでした。韓国という新天地で規定投球回に到達した戸田懐生が、2027年以降どのようなキャリアを築くのか。今後の契約発表とマウンドでの活躍に注目したいところです。